セレモニー開始までの静けさ
午前11時20分。横浜ワールドポーターズ前に到着。土曜日であるせいか、周りを見ると、家族連れやカップルが目立つ。すれ違う人たちはみんな笑顔で、休日を楽しんでいる様子だ。
式が始まるまでは、まだ1時間半ほどの余裕があったので、汽車道を通り抜けてきた私たちは、そのままエスカレーターに乗り、ウェルカムゲートの2階入口からワールドポーターズに入る。ドアをくぐると、正面にtaroさんの写真や出発時のビデオを放映しているブースがあった。ちらほらとブースを眺める人がいるが、今日、これから完走セレモニーが行われることを知っている人は、どれだけいるのだろうかと思う。自分もブースまで行って、後ろを振り返ると、入ってきたときには気が付かなかったが、入口のところに、ステージがあり、「タロ・中田市長 トークショー」と書いてある。ステージに向かったベンチには、ご高齢の方が数人座っているが、特に何が起きるのかわからないままに、ただ疲れた身体を休めるためにそこにいるように見えた。
まだ時間に余裕があったので、1階の「World Food Court」へ行って、食事をとる。ここには、周りにいろんなお店があり、それぞれ好きなものを購入して、真ん中にあるテーブルで食事を楽しむことができる。私は、特に何かを考えたわけでもないが、「カレーの王様」というカレー屋さんでオススメとなっていた、ロースカツカレーを食べて腹ごしらえをした。今思えば、そういえばタロさんはカレー屋さんもやっているのだ。私はカレー好きなので、今度ぜひ食べてみたいと思う。
その後、会場の下見をするために、森田さん、木下さんと別れ、12時過ぎに、再び2階のブースに戻るが、先程と同じように、ちらほらと立ち止まっている人がいるだけであった。あと1時間後にはタロさんは到着しているのだ。
タロさんは、首都高速横羽線から、みなとみらいの出口を下りて、この横浜みなとみらい21地区に入り、ワールドポーターズのインターナショナルゲート前に姿を見せる予定になっていた。ランドマークタワーやクイーンズスクウェアの横を通り抜け、突き当たりのパシフィコ横浜の前で曲がって国際橋を渡ってくるのであろう。そのため、まずはインターナショナルゲートの様子を見に行った。そこでは、スタッフの腕章をつけた人の姿があり、警備員の格好をした人たちが、歩道に緑色の三角コーンを並べて、そこにロープを張っていたが、それ以外に、これからタロさんがやってくるのだ、という雰囲気は無かった。道路を挟んで向かいにあるコスモワールドのジェットコースターから、はしゃぎ声(?)が響いてくる。
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江尻真樹(えじりまさき)
横浜市金沢区在住。
シンプル、純粋、透明をキーワードに、
「人がくつろぐ空間」を考える。
海と猫と、小田和正を愛する27歳。
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